2009年8月7日金曜日

宮台真司・奥平康弘『憲法対論』(平凡社新書、2002年)抜粋

宮台:
(アマルティア・センの言葉を借りて)ケーパビリティとは、本人がもしかすると別の選択肢を選べたかもしれないのに、自分はあえてその選択肢を選んだと思えることを意味します。当事者たちが、今の行動以外の行動を選べるのに、あえてそうした生活や行動を選んでいると思えるような、「選択肢の束」を社会が与えていることが豊かさだということです。(・・・)何も考えずに物質的に豊かな生活が送れるのに、何が悲しゅうて子々孫々や地球の裏側の人のことを考えて生活しなきゃいけないのか。そういうときに、「それが義務だからだ」というのではなく、「それが豊かさだからだ」と言うことが、現実に動員上有効だし、現に起こっている若い人たちの動機づけをうまく説明するのです。(pp70~72)


*(  )内は石田。

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