2009年12月21日月曜日

フィリップ・ブラウンほか『教育社会学』(九州大学出版会)より。

われわれの基本的な考えは、次のとおりである。平等な社会は、経済と政治の改革を通じて造り出すべきものであり、教育の主たる役割は、そのようにして造り出された社会を維持することにある。(53頁)

 この一文、印象的であった。教育に過度の期待をするのは間違いである。山本哲司はいう。〈教育を通じて社会をよくしよう、とかそういう人間はいなくなるほうがいい〉などと。別に教育を受ける人たちは社会をよくするために生まれてきたのではない。「生まれる」ために、「生きる」ために生まれてきたのだ。そんな主体を何かの目的(社会をよくする、など)に使役するのはお門違いである。

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