2010年11月28日日曜日

ウォーラーステインとイリイチ。

 ウォーラーステイン(19883)の『史的システムとしての資本主義』(岩波現代選書)を読んだが、イリイチのシャドウ・ワーク論に通じる指摘が多かった。

「資本蓄積者が政治的救命ネットとしてあてにしてきたのが、労働のうち金銭で測られてきた部分はほんの一握りにすぎないという事実である」(131)

 イリイチの『脱学校の社会』のハイライトにつながる「プロメテウス」的人間への批判も、本書103頁で述べられている。
 
 なぜ、ウォーラーステインの本書とイリイチの発想は繋がり合う点が多いのか? それはいずれもマルクス思想を土台にするという、米ソ冷戦下の思想体系の元に出てきた思想であるためである。この部分の理解が自分には甘いので、マルクス思想を再び学び直そうと思う。

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